斧入式 ~式年遷宮に向けた安全祈願祭~
10月28日(土)に上松町内の国有林にて斧入式が執り行われました。斧入式は、伊勢神宮の式年遷宮に向けた、御用材の伐り出し初めで、式年遷宮にかかわる方々の安全を祈願するための式典となります。今回は、先着60名の町民と来賓の方々に公開されて実施されました。
時折、大粒の雨が降りしきるような悪天候の中の実施となりました。気温も低めで冷たい雨の降る中で、傘を差したりカッパを着たりしながらの見学となりました。
上の写真の右側の白いテントがあるところが、来賓・報道陣の見学席で、左側の合羽を着た方々や傘を差した方々がいるところが町民の見学席でした。
伊勢神宮の宮司さんによる、祝詞や神事が終わったのち、斧をいよいよヒノキへ入れていきます。
御神木を寝かせる(伐り出す)際には、3方向から斧を入れる三ツ紐伐り(または三ツ尾伐りとも呼ばれる)が用いられます。3本のツルを残しそのうちの2本のツルを伐ることで、一本のツルの方向へと倒れていくため、伐倒方向が定まりやすく木材を痛めるリスクの少ない方法となります。
交代しながら、斧を入れていき、おおよそ40分ぐらいで寝かされました。
倒れていく際、初めはゆっくりとだんだんと勢いづいていき、ギギ、キュキュとなくような音を立てながら倒れていきました。地面につくときのドスンという音と衝撃はかなりの迫力。安全のためにワイヤーを張って倒れる方向を制御していたこともあり、予定通りの位置へと寝かされました。
寝た後には、倒したヒノキの株に先端部を供え、ヒノキが再び元気に育っていくように願いを込めて、株祀りを行って終了となりました。
参列者や町民が皆帰って言ったのち、ヒノキを伊勢へ運ぶための準備として、材を決められた長さへと切り分ける作業が行われました。最初の切り分け作業の際には、斧が用いられ、斧で少しづつ伐っていきました。最初以外は、チェーンソーを用いてあっという間に切り分けられていきました。
切り分け作業と、片付けが一通り済んだ段階で、クレーンを用いてトラックへと搬入されました。その後、トラックで化粧掛けの作業現場へと運ばれました。
化粧掛けの作業では、墨を入れて16分割に削り込んでいけるように印をつけるところから始まります。菊の紋に則して16分割していきますが、斧で行っていくためこの化粧掛けの作業もかなりの時間がかかります。
この化粧掛けの作業は、16時30分ごろから18時過ぎまで、1時間30分以上の作業となりました。雨が降る中でしたが化粧掛けは屋根がある場所で行われたため、濡れる心配なく作業をされていました。17時を過ぎてからは、暗くなってき始め、手元が暗くなりがちのため、車のヘッドライトを当ててしっかりと手元が見えるように工夫しながら作業をされていました。
斧入れ式で伐り出した御用材は、11月3日の秋まつり内で御木曳をしたのち、伊勢神宮のほうへ・・・。
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